スタッフSが作ってみました。


 

レシピ

ワイドニットパーカー
DARUMA PATTERN BOOK 6

使用糸

ランブイエメリノウール
アッシュブルー(5)12玉
*指定は13玉

使用針

4号輪針(80cm)
*指定は4号棒針、4号4本棒針




せっかくウェアを編むならたくさん着たいので、ワードローブに加えるならどんなものがいいかを考えて次に編むものを決めてます。しかしそんなこととは関係なく、着たい!編みたい!と心躍るデザインに出会うこともある。このニットパーカーはまさにそんなデザインでした。



この毛糸の色も大好きで。ちょっとグレーがかったブルー、とても良い色です。
ワイドなシルエットなので、棒針ではなく輪針で往復編みすることにしました。


目次

 ゲージを取る
 後身頃を編む
  段数マーカーを使った編み残しの引き返し編み・左側
  段消しをする・左側
  段数マーカーを使った編み残しの引き返し編み・右側
  段消しをする・右側
  かけ目とねじり目の増し目・右側
  かけ目とねじり目の増し目・左側
 前身頃を編む
 袖を編む
  ねじり増し目
 肩をかぶせはぎする
 脇をすくいとじする
 袖下をすくいとじする
 フードを編む
 袖を身頃につける

 

ゲージを取る




15cmくらいの正方形の試し編みをして、10cm×10cmの中に編まれている目数、段数を数えます。
私は手がきついのでいつも小さくなってしまいますが、今回は珍しくゲージがぴったりでした。

 

後身頃を編む




指でかける作り目をします。このとき糸端は脇をすくいとじするときに使うので長めに(すくう長さの約2倍)残しておきます。

1目ゴム編みで編み、続けてメリヤス編みを編みますが、後身頃ではゴム編みの後すぐに「編み残しの引き返し編み」が登場します。編み目を編み残しながら減らしていき、斜線に編む方法です。肩下がりを編むときによく登場しますが、ここでは裾に編むことで後ろ下がりになりシルエットがふっくらします。

編み方については以前ハイネックセーターのレポートで説明していますが、私はこの「編み残しの引き返し編み」が大の苦手でして(汗)今回は段数マーカーを使った簡単な引き返しの方法で編んでみることにしました。この方法では引き返しのときに「かけ目」をせず、段消しのときに後から糸をかけます。ではさっそくやってみましょう!

 

段数マーカーを使った編み残しの引き返し編み・左側



このパターンでは左側から先に引き返し編みをします。

まず、表側を引き返し手前まで編みます。ここでは6目編み残しています。



裏に返し、段数マーカーを糸につけます。



そのまま「すべり目」(編まずに右針へ移す)します。



次の目を1目編みます。すべり目と次の目の間に段数マーカーが編み込まれました。



これを7回くり返します。
 

段消しする・左側




「段消し」(段の境目に穴があかないように処理をすること)をします。
まず、表で「すべり目」したところまで編みます。その後、裏側にある段数メーカーの糸をぐーんと引っ張って左針にかけます。これが「かけ目」になります。



段数マーカーを外し、かけ目とその次の目を2目一緒に表目を編みます(左上2目一度)。



これをくり返します。左側が編めました。

 

段数マーカーを使った編み残しの引き返し編み・右側



続いて右側の編み方です。こちらは裏側を残り6目のところまで編みます。



表に返し、糸に段数マーカーをつけます。



「すべり目」(編まずに右針へ移す)します。



次の目を1目編みます。すべり目と次の目の間に段数マーカーが裏側で編み込まれたのがわかりますか?



これを7回くり返します。
 

段消しする・右側




裏で「すべり目」したところまで編みます。



次の目の向きを変えます。



段数マーカーの糸を引っ張り、左針にかけます。これが「かけ目」になります。



段数マーカーを外し、かけ目と向きを変えた目を2目一緒に裏目を編みます(左上2目一度・裏目)。



これをくり返します。右側が編めました。

 

かけ目とねじり目の増し目・右側


この後は両端で「増し目」(目数を増やすこと)をしながら、ひたすらメリヤス編みで編んでいきます。増し目はデザインや素材に応じて増やした目ができるだけ目立たない方法を選びます。ここでは表側を編んでいるときには「かけ目」を、裏側を編んでいるときには「ねじり目(裏目)」をして目数を増やします。



まずは表側の右側から。右端の1目を編み、右針に手前から向こう側に糸をかけます(かけ目)。



次の目に右針を入れ、表目で編み進めます。



続いて裏側です。前段の「かけ目」に写真のように右針を入れ(わかりにくくてすみません)、裏目を編む要領で右針に糸をかけて引き出します。



裏目のねじり目が編めました。 

 

かけ目とねじり目の増し目・左側





次は表側の左側です。左端の1目手前まで編み、右針に向こう側から手前に糸をかけ(かけ目)、左端の目を表目で編みます。



続いて裏側です。前段の「かけ目」に写真のように右針を入れ、裏目を編む要領で右針に糸をかけて引き出します。



裏目のねじり目が編めました。


肩下がりは、裾と同じ要領で「編み残しの引き返し編み」で編みます。



右側の肩下がり。



左側の肩下がり。



後身頃ができました。糸端はかぶせはぎのときに使うので、はぐ長さの4.5〜7倍の長さを残しておきます。

 

前身頃を編む




前身頃は基本的に後身頃を同じ要領で編んでいきますが、後ろ下がり分の「編み残しの引き返し編み」はないので、1目ゴム編みの後そのままメリヤス編みで編み進めます。



この作品は段数が多いので、すくいとじが大変そう。目印のために10段ごとにステッチマーカーを付けていたら絶望的に足りなくなってしまいました。慌ててダルマ型のニットピンを注文。いろんな色のピンが入っていたので、段毎に色を変えています。



襟ぐりは後身頃よりも深いので、減目をしながら編んでいきます。
前身頃ができました。

 

袖を編む




袖口は1目ゴム編みで編みます。すくいとじするときに一部分とじずに親指用の穴をあけるので、マーカーを付けておきます。

1目ゴム編みが終わったら、分散増し目をします。ここでは「ねじり増し目」を編みます。

 

ねじり増し目



「ねじり目」と「ねじり増し目」は同じ記号なのでちょっとわかりにくいですが、編み方図で目が増えていればねじり増し目、増えていなければねじり目です。目立たずに目を増やすことができるので、細めの糸に向いています。



横に渡る糸を、矢印のように右針で引き上げます。



引き上げた目を、編まずに左針へ移します。



左針に移した目にむこう側から右針を入れ、糸をかけてねじり目(表目)を編みます。



ねじり増し目が編めました。



分散増し目が終わったら、前後身頃と同じように両端で「かけ目とねじり目の増し目」をしながら編みます。



編み終わりは伏せ目にします。



同じものをもう1枚編みます。両袖ができました。糸端は身頃へつけるときに使うので、とじる長さの約6倍の長さを残しておきます。

 

肩をかぶせはぎする




前身頃と後身頃を中表に合わせ、かぎ針を使って片方の編み地の目をもう一方の編み地の目にかぶせてから、引き抜き編みをしてはぎ合わせます。



かぶせはぎができました。もう一方の肩も同じようにはぎ合わせます。

 

脇をすくいとじする




編み地の表側を見ながら、1目内側の横に渡っている糸(シンカーループ)をとじ針ですくってとじていきます。



端で増し目をした段では、ねじり目のところに針を入れます。
まずクロス部分の下から針を入れ、ねじり目の中から出します。



次の段では先ほど針を出したところ(ねじり目の中)に再び針を入れ、次の段のシンカーループをすくいます。写真ではわかりにくかったのでイラストにしてみました。



袖つけ止まりのところまですくいとじができました。

 

袖下をすくいとじする




袖も脇と同じ要領で、編み地の表側を見ながら1目内側の横に渡っている糸(シンカーループ)をすくってとじていきます。



袖口の1目ゴム編みのところは一部分とじずに親指用の穴をあけます。このやり方が合っているかはわかりませんが、私は穴のところだけ編み地の裏側に糸をくぐらせました。



袖下のすくいとじができました。

 

フードを編む




前衿ぐりの中心(マーカーが付いているところ)から右へ5目の位置から拾い始めます。私は輪針を使いましたが、棒針で編むときは4本棒針を使います。



一周したら、巻き増し目をします。



このように糸をひねって右針にかけます。巻き目がゆるまないように、糸端はしっかり引きます。



同じ要領で10目増やします。この後は往復編みでメリヤス編みをしていきます。



フードのトップは後ろ中心(目数リングをつけたところ)の左右で減目をしながら編んでいきます。



フードが編み終わりました。



残った目は「引き抜きはぎ」をします。後中心から編み地を中表に合わせて半分に折り、「引き抜きはぎ」をします。かぎ針を使って引き抜き編みをしてはいでいきます。



引き抜きはぎができました。



巻き増し目の編み始めを、前身頃の裏側にかがりつけます。前衿ぐりの中心から(表側から見て)右へ5目の位置から編んでいるので、巻き増し目の端が左へ5目の位置にくるように突き合わせにしてかがっていきます。



巻き増し目が身頃につきました。

 

袖を身頃につける




袖は身頃に「引き抜きとじ」でつけます。ハイネックセーターと同じとじ方ですね。
まず中表にして袖下と袖山を合わせ、身頃側を見てピンを打ちます。すくいとじをした側が袖下ですよ。ハイネックセーターのときはとにかくたくさんピンを打ちましたが、とじるときにまち針が刺さって痛かったので(笑)今回は手芸用の「仮止めクリップ」を使いました。



2枚の編み地をかぎ針の引き抜き編みの要領でとじていきます。



ぐるっと一周とじます。引き抜きとじができました。




編み始めてから3ヶ月、やっと完成しました!かわいい〜!
PATTERN BOOKでピンクのパンツを合わせているのがかわいいなあと思ったのですが、私には穿く勇気がなくて靴下で取り入れてみました。




後ろ姿。私が着ると丈が短めなので(身長168cm)、シャツやシャツワンピースに重ねて着ています。



腕を広げてみたところ。ワイドなシルエットなのがわかりますか?



リブの穴から親指を出すと、リストウォーマーのように使うことができます。私がやると、袖がぽんわりしないんだよなー。

長い道のりでしたが、同じものを編んでいる皆さんとInstagramで励まし合ったり、情報交換したりしながら最後まで楽しく編むことができました!




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